食糧を考える:糖類 食糧 2015年09月04日 0 「食品成分表」で個別の食品の成分を検討していきます。まずは「ざらめ糖 グラニュー糖」。まあ普通の砂糖ですね。100gのうち、炭水化物が100g。水分ゼロ。蛋白質ゼロ。脂質ゼロ。ビタミン・ミネラルゼロ。純粋な炭水化物です。これで387kcal。400kcalには届かない。これが炭水化物のポテンシャルです。100gで400kcal以上ある食品は「必ず」脂質に頼っています。次に体に良さそうなイメージの「黒砂糖」を見てみましょう。(以下、すべて100gあたりの数字です。)水分5%で、354kcal。グラニュー糖よりやや低カロリー。脂質は含まず、蛋白質1.7gを含みますがたいした量ではありません。カリウム、カルシウム、鉄などのミネラルが多いですが、登山時の栄養としてどれだけ役立つかは疑問です。日常の食生活で、砂糖を黒砂糖に置き換えるなどするなら、長い目で見て健康上のメリットはあるかもしれませんが、ほんの数日のことなら黒砂糖でも普通の砂糖でも好きな方でいいように思います。次に「ぶどう糖」を見ましょう。「全糖」で水分9%を含み、335kcal。「無水結晶」なら水分は0.3%で、367kcal。どちらも水分を除けば、純粋な炭水化物です。ぶどう糖は吸収が早いことが特徴ですが、「吸収が早い」ことは必ずしもメリットだけではない点に注意が必要です。ぶどう糖を口にすると素早く吸収されて血糖値が急激に上昇します。するとインシュリンが分泌されて、今度は血糖値を急激に下降させます。このように血糖値が安定しないと、身体のパフォーマンスにも悪影響が考えられます。同じことは砂糖でも起こるそうです。とは言え、いわゆるシャリバテをうっかり起こしてしまうことも考えて、急速エネルギー補給に一定量のぶどう糖を持っておくのは有効かもしれません。ラムネ菓子はぶどう糖にでん粉とクエン酸を加えたものなので、代用に使えそうです。次は「果糖」。水分0.1%で、368kcal。これまた純粋な炭水化物です。果糖はぶどう糖とは違う仕組みでエネルギーになるので、砂糖やぶどう糖のような血糖値の乱高下を起こさないという特徴があります。欠点として、エネルギー源として消費されなかった果糖は脂肪になりやすく、太りやすい糖類だと言われています。しかし、登山中のエネルギーとして使うならあまり問題ないのではないでしょうか。「粉あめ」というものも載っています。水飴を乾燥させて粉末にしたものですが、化学的にマルトデキストリンという名前もあるようです。水分が3%で、381kcal。砂糖などと比べて吸収がゆっくりで血糖値を不安定化させないため、長距離ランや自転車などの持久系スポーツをする人たちに注目されているようです。市販のエナジーゼリーなどにも入っています。登山でも利用価値のあるエネルギー源だと言えましょう。それから「はちみつ」も見ておきましょう。水分20%を含むため、熱量は294kcalに留まります。蛋白質0.2%は、ほとんど誤差みたいなもので、気にする必要はないでしょう。イメージとは異なり、重量あたりの熱量は「精白米」の356kcalより低くなります。とは言え、調理不要で直接口にしてエネルギー補給できるので、使い方次第で有益と言えます。まあ、お好みでどうぞ。主成分はぶどう糖と果糖。整腸作用のあるオリゴ糖も含みます。最後に糖類ではありませんが、でん粉を見ておきましょう。「とうもろこしでん粉」。いわゆるコーンスターチですね。水分12.8% 354kcal 蛋白質0.1% 脂質0.7%でん粉のポテンシャルはこんなものです。「くずきり 乾」や「はるさめ 乾」のデータもありますが、だいたい同じで、要するにでん粉なんだということがよくわかります。登山での食糧の基本的なこと [0回]PR