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いろいろ歩いて行くブログ

いろいろ歩いて行った記録です。 山域のカテゴリーはだいたい昭文社の登山地図にしたがっています。

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食糧を考える:菓子類(和風)

エネルギー源として携行食糧を考えるとき、その優秀さを決定するほぼ唯一のファクターは水分含有量であることがわかってきました。
炭水化物にしても、蛋白質や脂質にしても、重量あたりの熱量はだいたい決まっているので、例えば普通の糖類やでん粉よりはるかに高い熱量を持った炭水化物なんてものは存在しません。
脂質の割合が多ければ熱量は大きくなりますが、脂質が多い食品がよい食糧とは言えませんし、かと言って脂質が少ない食品が良い食品というわけでもないのでしょう。
脂質の多い食品と少ない食品とを組み合わせて、丁度いいバランスで食べればいいだけなのです。そういう意味で、水分量以外に「良い食品」「悪い食品」というのはないわけです。

じゃあ、その丁度いいバランスってどれくらいなの?というと難しいわけですが、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」を参考に、エネルギー源の質量で16%以下ならいいんじゃないかと目安を勝手に作ってみました。この目安が正しい保証はありません。

登山での食糧の基本的なこと

以上のことを踏まえた上で、行動食として丁度よさそうな菓子類を「食品成分表」から探してみます。

練りようかん 296kcal 水分26.0kcal 蛋白質3.6g 脂質0.2g
携行食糧としては水分多め。それが行動食としての食べやすさにつながっているわけですけど。

甘納豆 あずき    296kcal 水分26.2g 蛋白質5.6g 脂質0.6g
甘納豆 いんげんまめ 302kcal 水分25.2g 蛋白質5.5g 脂質1.1g
甘納豆 えんどう   310kcal 水分23.1g 蛋白質5.2g 脂質1.0g
登山家、加藤文太郎が行動食としたと言われる甘納豆。熱量は羊羹と同じくらいですが、やや蛋白質が多い。

あずきあん つぶしあん 244kcal 水分39.3g 蛋白質5.6g 脂質0.6g
あずきあん さらしあん 385kcal 水分5.0g 蛋白質26.2g 脂質1.0g
つぶしあんは水分が多いので、羊羹や甘納豆にしておいた方が軽量化では有利。
ちなみに、こしあんの水分はさらに多く62.0gになります。
さらしあんは、こしあんを乾燥させた粉末。水分が少なく軽いですが、水で戻さないといけないのが難点。数値上、高蛋白に見えますが、水で戻した食べられる状態では羊羹などとそう変わらなくなるはずです。

げっぺい 357kcal 水分20.9g 蛋白質5.1g 脂質8.7g
とりあえず和風に入れておきました。月餅。
適度に脂質を含んでいていいんじゃないでしょうか。水分を除いた質量のおよそ11%が脂質です。

かりんとう 黒 441kcal 水分3.5g 蛋白質7.4g 脂質11.8g
これも適度に脂質を含んでいます。水分が少なくて軽いですが、その分、口が乾いて食べにくくなります。

南部せんべい ごま入り  432kcal 水分3.3g 蛋白質10.9g 脂質11.0g
南部せんべい 落花生入り 429kcal 水分3.3g 蛋白質11.4g 脂質9.8g
適度に脂質を含みつつ高蛋白で、かなり優秀な数値といえます。脂質も胡麻や落花生由来のものは良質です。

揚げせんべい 465kcal 水分4.0g 蛋白質5.7g 脂質17.5g
こちらはちょっと脂質が多いですが(約18%)、そこそこ悪くないバランスだと思います。これも乾いているので、行動中よりは休憩中にのんびり食べる方がいいでしょう。

最後に、食品成分表にはありませんが、好きな人も多いらしい柿ピーのデータを見ておきます。

亀田の柿の種 470kcal 蛋白質13.4g 脂質17.4g 炭水化物64.9g
亀田製菓のデータを参照しました。
水分は5%以下で、脂質は約18%。ピーナッツのおかげで蛋白質も多く、なかなか良好な数値です。
脂質を少し減らしたければ、あらかじめピーナッツを少し抜いておくか、ピーナッツ抜きの柿の種100%が販売されているので、それで「薄める」かすれば、好みのバランスが作れます。

※数値はすべて100gあたり

食糧を考える:菓子類(洋風)

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食糧を考える:ナッツ類

脂質は熱量あたりで考えると「軽い」ので上手く利用したいのですが、ナッツ類は良質な脂質を多く含むのでよい選択肢になります。
蛋白質やミネラルなども豊富です。

アーモンド フライ、味付け   606kcal 水分1.8g 蛋白質19.2g 脂質53.6g
カシューナッツ フライ、味付け 576kcal 水分3.2g 蛋白質19.8g 脂質47.6g
かぼちゃ いり、味付け     574kcal 水分4.5g 蛋白質26.5g 脂質51.8g
くるみ いり          674kcal 水分3.1g 蛋白質14.6g 脂質68.8g
ごま いり           599kcal 水分1.6g 蛋白質20.3g 脂質54.2g
ヘーゼルナッツ フライ、味付け 684kcal 水分1.0g 蛋白質13.6g 脂質69.3g
マカダミアナッツ いり、味付け 720kcal 水分1.3g 蛋白質8.3g 脂質76.7g
まつ いり           690kcal 水分1.9g 蛋白質14.6g 脂質72.5g
らっかせい いり        585kcal 水分2.1g 蛋白質26.5g 脂質49.4g
いずれも水分が少なく高カロリーで携行食糧として優秀です。
熱量と蛋白質は、概ねトレードオフの関係にあるように見えます。
南瓜の種や落花生が高蛋白なので惹かれますが、味の好みも加味して何種類か持つといいかもしれません。

ピーナッツバター 640kcal 水分0.6g 蛋白質25.4g 脂質50.7g
ほとんど水分を含みません。意外でした。
煎った落花生より優秀に思えます。

登山での食糧の基本的なこと

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食糧を考える:油脂類

油脂類をそのままエネルギーとして利用するということはないかもしれませんが、エネルギー源としての脂質のポテンシャルを知るためにもデータを見ておきます。

オリーブ油 921kcal 水分0g 蛋白質0g 脂質100.0g
全部で14種類の植物油脂類のデータが載っていますが、すべて921kcalで脂質100%です。

牛脂  940kcal 水分微量 蛋白質0.2g 脂質99.8g
ラード 941kcal 水分0g 蛋白質0g 脂質100.0g
動物脂類の方が熱量が大きいですね。

脂質は炭水化物を大きく上回る熱量を持っています。
しかし、人間は必要なエネルギーをすべて脂質から得ることはできません。炭水化物や蛋白質と合わせて摂取する必要があります。

それでも脂質は熱量あたりで考えるととても「軽い」ので、できるだけ利用したい。
そこで考えたのが、質量の16%というラインでした。
この程度ならあまり害はないと考えました。

登山での食糧の基本的なこと


有塩バター       745kcal 水分16.2g 蛋白質0.6g 脂質81.0g
ソフトタイプマーガリン 758kcal 水分15.5g 蛋白質0.4g 脂質81.6g
ファットスプレッド   631kcal 水分29.7g 蛋白質0.4g 脂質68.0g
エネルギー源としてだけみて比べたとき、バターもマーガリンも大差ないことがわかります。
“マーガリンのようなもの”として売られているけれども、パッケージに「マーガリン」という表記のないものがファットスプレッドです。マーガリンよりも水分を多くして、その分、低カロリーを謳っているようです。何にしろ、携行食糧としてファットスプレッドを選ぶ理由はないでしょう。

マヨネーズ 全卵型 703kcal 水分16.2g 蛋白質1.5g 脂質75.3g
マヨネーズ 卵黄型 670kcal 水分20.2g 蛋白質2.8g 脂質72.3g
マヨネーズも非常に脂質の割合が多いのでここに載せておきます。

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食糧を考える:ドライフルーツなど

行動食としてよく利用されているドライフルーツを検討してみます。

まずはドライフルーツとして一番手頃な干しぶどうから。

干しぶどう 301kcal 水分14.5g 蛋白質2.7g 脂質0.2g

ほぼ炭水化物ですね。
干してあってもそれなりに水分を含んでいます。だからこそ、行動中にパクパク食べられるわけでもありますが。

バナナ 乾 299kcal 水分14.3g 蛋白質3.8g 脂質0.4g

数値から見て、ただ乾燥させただけのもののようです。
油でフライしたタイプはもっと高カロリーになるはずです。
ココナッツオイルは、脂質の中では例外的にエネルギー化が早いと言われているので、ココナッツオイル使用のものは案外いいかもしれません。

干しがき 276kcal 水分24.0g 蛋白質1.5g 脂質1.7g

効率で見ると、残念ながら干しぶどうに及びません。

あんず 乾 288kcal 水分16.8g 蛋白質9.2g 脂質0.4g

ドライフルーツにしてはずいぶん高蛋白です。

なつめ 乾   287kcal 水分21.0g 蛋白質3.9g 脂質2.0g
なつめやし 乾 267kcal 水分24.8g 蛋白質2.2g 脂質0.2g

どちらも世界的に見ると重要な農作物のようですが、日本ではあまり一般的ではない果物ですね。なつめやしはデーツとも呼ばれています。
数値からは、わざわざ探してまで利用するまでもなさそうに見えます。

パインアップル 砂糖漬 351kcal 水分12.0g 蛋白質0.5g 脂質0.2g

砂糖を加えたものはやはり熱量が多くなります。登山用としてはこちらの方が効率はいいでしょう。

ジャムも見ておきましょう。

いちご ジャム 高糖度 256kcal 水分36.0g 蛋白質0.4g 脂質0.1g
いちご ジャム 低糖度 197kcal 水分50.7g 蛋白質0.5g 脂質0.1g

オレンジ マーマレード 高糖度 255kcal 水分36.4g 蛋白質0.2g 脂質0.1g
オレンジ マーマレード 低糖度 193kcal 水分51.7g 蛋白質0.3g 脂質0.1g

いちごジャムもオレンジマーマレードもエネルギー面ではだいたい同じですね。
この水分量を許せるかという問題はありますが、選ぶとしたら高糖度の方ですよね。

さて、ドライフルーツは水分含有量の面で、アルファ米などの主食に取って代わるほどの効率はないことがわかりました。
調理不要という利点を上手く活かして利用したいですね。

※数値はすべて100gあたり

登山での食糧の基本的なこと

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食糧を考える:米以外の穀物食品

まずは小麦原料の食品を見てみましょう。

食パン 264kcal 水分38.0g 蛋白質9.3g 脂質4.4g
やはり水分が多いですね。それでも餅(44.5g)よりは少ないのは、オーブンで焼いているからでしょうか。
フランスパンにすればもう少し水分が少なくなりますが、それでも効率がいいとは言えません。
パン類は米より蛋白質と脂質が多いですね。脂質が多いと言っても、この程度であれば問題はないように思います。

乾パン 393kcal 水分5.5g 蛋白質9.5g 脂質4.4g
昔から利用されているだけあって、乾パンは携行食糧として実に優秀な数値です。水分の量はアルファ米(8.0g)を下回っています。
水を加えたり、加熱しなくとも食べられる点も素晴らしい。まったく水無しで食べるのは口が乾いて辛いでしょうが。

麺類はどうでしょうか。

そうめん・ひやむぎ 乾 356kcal 水分12.5g 蛋白質9.5g 脂質1.1g
茹でやすい点でこちらを選びました。干しうどんも似たような数値ですが、水分がもう少し多くなります。
いずれもビーフン(377kcal 水分11.1g)には、やや劣ります。

それではラーメンならどうなるでしょうか。

即席中華麺 油揚げ  458kcal 水分3.0g 蛋白質10.1g 脂質19.1g
即席中華麺 非油揚げ 356kcal 水分10.0g 蛋白質10.3g 脂質5.2g
数値は、添付調味料などを含みます。

まず、フライ麺の400kcalオーバーの熱量は炭水化物だけでは不可能な数値です。脂質を見ると、目安として設定した16%を超えた19.1g。
とは言え水分3.0gは非常に優秀です。脂質の少ない他の食品と組み合わせるなら利用価値は高いと思います。

ノンフライ麺の水分10gも、なかなかの健闘ですが、全体としては凡庸。

次にパスタ類をチェックしておきましょう。

マカロニ・スパゲッティ 乾 378kcal 水分12.0g 蛋白質13.0g 脂質2.2g
悪くないと思います。デュラム小麦を使うので蛋白質が多めになります。

小麦以外の穀類も検討していきます。

干しそば 乾 344kcal 水分14g 蛋白質14.0g 脂質2.3g
今ひとつでしょうか。積極的にエネルギー源にする理由はなさそうです。

コーンフレーク 381kcal 水分4.5g 蛋白質7.8g 脂質1.7g
アルファ米に匹敵する数値です。
ここではエネルギーのことだけを考えていますが、市販のコーンフレークにはビタミンやミネラルなどが添加されているので、気になる人にはいいかもしれません。
加熱しないですぐ食べられるのもいい。

オートミール 380kcal 水分10.0g 蛋白質13.7g 脂質5.7g
これまた優秀な携帯食品です。
燕麦が原料で、高蛋白です。
オートミールというと甘いミルク粥にするものと思っている人がいますが、和風だしやコンソメ等でもいけます。

登山での食糧の基本的なこと

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